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【ザ★ウルトラマン(その4)】 葛藤と成長

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告白しますと、私は「ザ~」に登場した怪獣、宇宙人の名前をほとんど覚えていません。
それほどに怪獣との格闘には興味がなかったといいますか、作品の中の位置づけも、後半は特に希薄になっていたのだと思います。

小学校6年生の後半を迎え、管理教育にストレスを感じていた私は体に変調を来たしはじめました。勿論30年以上前の話であり、今となっては武勇伝のようなものです。
体調を崩した私の寄る辺となったのが「ウルトラマン」でした。しかし…怪獣の名前はほとんど覚えていません。歴代ウルトラ作品の中で「怪獣の名前を覚えていないウルトラ番組ワースト1」です。
シーグラ、レッドスモーギ、ヘルキャット、マクダクター。以上(笑)。かつての特撮ウルトラに登場した怪獣、宇宙人でアニメとして登場したものはカウントしていません。

怪獣の印象が希薄なのは、物語そのものが「怪獣軽視、ドラマ重視」に変わっていったからです。

秋になると作風ががらりと変わりました。

ウルトラの星、U40に反逆者ヘラーが襲来し、U40を壊滅させてしまう。
命からがら脱出してきた ジョーニアスの妹、アミアにより危機は地球に知らされ、科学警備隊はやがてU40の支援に向かう。

怪獣退治の勧善懲悪ものからスペースオペラへの作風の変更…

年齢的には違和感なく視聴する事ができました。

そして同時進行的に…物語に織り交ぜられていく主人公の葛藤に、切歯扼腕するようになったのです。

ウルトラシリーズのお約束。
ウルトラヒーローに変身する防衛隊員は、ウルトラヒーローとして活躍する間、防衛隊員の姿ではいられません。

「あいつは肝心なときにいない」

特撮ウルトラでは「それは言わないお約束」。劇中で、こういう発言がなされても主人公が困ったような笑みを浮かべてシャンシャン…でした。

ところが「ザ~」ではそれをシビアにとらえられていました。
究極のところ、先輩であるマルメ隊員からは「(職場放棄し、同僚の命を危険にさらす)あいつとは一緒に戦えない」と唾棄され、隊長であるゴンドウの口からは「(行動が改まらないのなら)あいつをクビにするつもりだ」とまで云われてしまう。

主人公・ヒカリ隊員は苦悩し、ジョーニアスに懇願します。
「もう限界です!ボクがウルトラマンなんだと(みんなに)云ってしまいたい!」
ヒカリ隊員の願いをジョーニアスは受け入れず、ヒカリが批判の視線を浴びるに任せます。

主人公の苦悩を織り交ぜつつスペースオペラのテイストで展開していく「ザ~」。
科学警備隊の駆る巨大戦闘艦ウルトリアを含めた U40宙域での艦隊戦。
「未知との遭遇」、「スターウォーズ」、「宇宙戦艦ヤマト」…時代の名作へのオマージュも兼ねた演出が織り交ぜられ 佳境ではウルトリアはU40に不時着、白兵戦となります。

細かい描写はほかのサイトで「よりマニアックに」書いておられる方が散見されるので 本稿では割愛します。

白兵戦の結果、反逆者ヘラーの本陣に肉薄する科学警備隊の面々。
そこに現れたのは、U40の長老“大賢者”をとらえ、冷笑するヘラー。
曰く「きみたちの中に、ウルトラマンがいることはつかんでいる。名乗り出れば大賢者の命は助けよう」
ヘラーの言葉を受け、隊員の視線がヒカリ隊員に注がれます。
ところがジョーニアスは一時的にヒカリ隊員と分離していたため、そもそも変身しようにも、変身のしようがありませんでした。
ヘラーは公約通り大賢者を(見せかけ上)亡き者にしました。

隙をついて脱出した警備隊の面々。
マルメ「俺はてっきりお前(ヒカリ隊員)がウルトラマンだと思っていた」
賛意を示す警備隊の面々
そこにゴンドウの叱責の言葉…
「俺たちは心の片隅でウルトラマンに頼っていた。その甘い考えが 大賢者を死なせることになった」

奮闘むなしく警備隊の面々はとらえられ、処刑怪獣マクダクターによる処刑が執行されようとした矢先、瀕死のヒカリ隊員に再度同化していたジョーニアスが変身を遂げて警備隊の面々を、とらえられていた妹のアミアを、そして大賢者を救出します(大賢者を蘇生させたのはアミアですけどね)。

大団円。
これまでウルトラヒューマノイドの姿でのみ、地球人と接していたジョーニアスが、その姿を現します。

1
U40の人々から喝采を浴びたジョーニアス。
平和を取り戻した地球を見届けるべく、アミアとともに地球の大地を踏みしめます。

ジョーニアス「美しい…… こんな美しい地球を見たのは、初めてだ。みなさん。これで私は、安心してお別れできます」
ゴンドウ「もっといて欲しいのですが、お引き止めはできんのでしょうな」

ジョーニアス「ヒカリ。私たちのことをなぜ、最後まで隠さねばならなかったのか、分かってくれただろうね?」
ヒカリ「はい。誰もが自分の力を信じて戦うべきだから…… 誰にも頼ってはならないからです」
ジョーニアス「そう! それこそが、平和を守る力だ」

アミア「ヒカリ……」
ヒカリ「アミア……」
アミア「さようなら、みなさん!」

アミア「ムツミさん……」
ムツミ「アミアさん。好きだったのね、ヒカリ隊員が……」
アミア「ムツミさん…… お幸せに……」

ヒカリ「ジョーニアス! これで、最後ですか!? 僕らはもう、永久に逢えないんですか!?」
ジョーニアス「いや。宇宙に危機が訪れたとき、私は再び戻って来るだろう。そして、誰かすぐれた若者の体を借りることになるだろう」

勧善懲悪に終始せず、人間の葛藤や愛憎を描くことに成功した異色のウルトラマン。「最後まであきらめない」「誰にも頼るな」なフレーズを前面に押し出しているウルトラ作品は多いですし、それはそれで素晴らしいと思いますが、それを言葉ではなくストーリー展開に上手に織り交ぜた、特に終盤の5作(具体的には「よみがえれムツミ」から最終回までの5話)については、ウルトラ少年達の私生活での成長を促す、出色の出来だったと思います。

「ザ~」終了後のウルトラ作品は、特撮ウルトラの「ウルトラマン80(エイティ)」。“えいてぃ”でも“はちじゅう”でも結構でしたが、やはり1980年放送開始のウルトラヒーローだから“こそ”、こういう安直な名前にはしてほしくなかったな、と思います。

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