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【J.P.ロッチナ】【ナレーター】~ボトムズ郷愁(その2)~

前回は主題歌についての思い出話になりましたが、今回はボトムズの“影の名物”&“影の名物男”について 触れてみようと思います。

ボトムズ第一話、第二話を通じて私が戸惑ったのは、主人公のキリコ・キュービィを取り巻く人間環境でした。
物語冒頭、小惑星リドを襲撃するキリコの小隊。ほかのアニメにありがちな、主人公が主人公然と行動し、周囲を渋面のナイスガイがフォローする、といった状況ではありませんでした。

作戦の内容は知らされない
蚊帳の外でお留守番
気づけば爆弾をぶつけられ(?)て宇宙空間に放り出される
爆風で宇宙空間を漂っていると、ギルガメス星域軍の戦艦バウントントに収容される

この間、頼りになる“親父”“兄貴”“仲間”系のキャラクターは全く登場しません。
普通のアニメなら味方してくれるであろう上官、チャルク・オリヤ大尉とクダル・コニン少尉。全くキリコのフォローをしません。と、言いますか、のちのエピソードでキリコを殺害しようとします。
視聴者たる私はキリコの視線で「いったい作戦はなんなの?味方はいないの?」的な困惑の表情でブラウン管を見続けていました。
そしてバウントントから聞こえるロッチナ大尉(CV:銀河万丈氏)の声。

当時の私は浅はかでした。

銀河万丈氏といえば、前作「太陽の牙ダグラム」で太陽の牙随一の巨漢、ビッグEガンの名手、チコ・ビエンテを演じたお方。
「きっとキリコの味方になるキャラに違いない」
と思っていたら、軍事機密を盗んだ疑惑をもたれたキリコを拷問する役どころのジャン・ポール・ロッチナ大尉として登場。
細かい描写は割愛しますが、強靭な肉体(と、のちに立証される)を誇るキリコが悲鳴を上げ、心臓を停止し、ショックで体を拘束台から浮かせた際に拘束具のボルトを弾け飛ばすほどの拷問を加えた人物として華々しく(?)デビューを飾りました。
警備をかいくぐって脱走したキリコに切歯扼腕する一方で、警備責任者を殴り飛ばすほどの厳格な軍人として描かれていたロッチナ。第一印象は「怖い」「気味悪い」でした。

四半世紀を経て、ロッチナのキリコに対する執着心を想起するだに苦笑してしまうこともありますが、当時は恐怖の対象(の、一人)でした。

訳も分からず終了した第一話。CMを挟んで流れてきた次回予告のナレーションに思わず息をのみました。
ナレーターはこれまた銀河万丈氏。「…次回「ウド」…来週もキリコと地獄に付き合ってもらう」…銀河万丈氏の名調子が華々しくオンエアされた瞬間でした。

ロッチナというキャラクターは毎回登場するわけではありませんでしたし、当初はそれこそ忘却の彼方に(いつか)追いやることのできるキャラクターだと軽んじて捉えていました。
ところが、毎回と言わずとも物語の重要なキーを握る人物として、またキリコを見つめる観察者として重要な立ち位置を任せられていることに、後々気づくことになります。

四半世紀を超過してもボトムズを見つめる私自身を、自虐的にロッチナと重ね見る瞬間もありますが、架空のキャラクターと重ねあわせると現世に戻れなくなってしまいますね。

ロッチナ情報大尉。現実の世界ではかかわりあいたくありませんが、なくてはならないキャラクターだと思います。

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