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アベル・ガンス監督作品「ナポレオン」

今回のお題「あなたの生き方を変えた映画は?」

大変厳かな課題を頂きました。

開口一番!
「ウルトラマンメビウス & ウルトラ兄弟」

Photo

あはは…ふざけていないですよ。
2006年9月16日公開のこの映画。
ウルトラ4兄弟(ハヤタ・シン(え?)、モロボシ・ダン、郷秀樹、高峯…失礼、北斗星司)が25年前に地球に留まり、変身能力を失いかけている理由が納得できる範疇で描かれ、いきなりウルトラマンメビウスが地球にやってきたことの不自然さを払拭しています。
怪獣に襲われたときに、防衛チームやメビウスの来着が遅延したため、心を閉ざすようになった少年との心のふれあいも、演じる五十嵐隼士さんの優しい外見とあいまって、素直に心に溶け込みました。
幾度となくピンチに陥り、4兄弟の命すら危ぶまれる、といった中での勇気の発露、4兄弟の述懐などは、私の拙い文章力でお伝えできるものではありません。

上映後、劇場のあちこちで涙を拭い、鼻をクシュクシュにしているおじさん、おばさんたちの姿を見るだに、下手な説教よりもこの映画、と唸らされる傑作だったと思います。

正義、勇気、希望…連綿と伝えられているこのメッセージに心洗われたのは確かです。

が!

生き方は変わりませんでした。幼少期からインプリンティングされている心を再確認したまで(ウルトラマン、ごめんなさい)。

と、いう訳で「生き方を変えた映画」として紹介したいのはアベル・ガンス監督作品「ナポレオン」(1927年(1972年じゃないですよ))です。

1977年10月、東京は上野松坂屋で「大ナポレオン展~栄光とロマン~」が開催され、私も母にねだって観に行きました。
ナポレオンの時代を担った将星たちの遺品、サーベル、美術品…それらと合わせて「ナポレオン映画」のパネルが貼られていました。
当該映画は当時から更に50年前の作品であったということ、今は観れない、という事だけは理解しました。
その後 オーケストラを交えた上映会が国内でありましたが、年齢的にも金銭的にも観賞が許されませんでした。
ところが1987年2月、我が家にビデオデッキが届いた翌々日の深夜にテレビ放送されることになりました。
上映時間5時間前後。
サイレント映画に荘厳な音楽。セロファン?カラーフィルター?を使っての演出など、圧倒されっぱなし。
なんといっても圧巻だったのはアルベール・デュドネ演じるナポレオン、その人。


Photo_2

印象…気持ち悪い!
こんなに怖い顔をしていたのか!

それまでナポレオンに抱いていたイメージ
マーロン・ブランドみたいな顔
少数の軍隊を率いて圧倒的な兵力差を覆して勝利をつかむ英雄
といったものがガラガラと音を立てて崩れていきました。

映画の内容は、生誕から第一次イタリア遠征までを纏めたものでした。
清廉潔白なヒーローとは程遠い風貌、挙動…テルミドール反動に至るまでのドロドロした人間模様は「ベルばら」のイメージを雲散霧消させました。

実は、私はナポレオンについて扱った書籍を30冊以上持っています。その殆どが、この映画をテレビで観てから入手したものです。
経済的な自由度というファクターもありますが、少年から青年に脱皮する過程において、人間としてのナポレオンのドロドロした部分を見つめてみたい、という気持ちが強くなったのだと思います。
世間は綺麗事ではない、英雄視している人間も醜い部分がある、ということを思い知らされたという意味でこの「ナポレオン」は群を抜いた存在感を放っています。

いずれ纏まった時間を確保して(あるやん)、再度観てみたいと思います。

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コメント

1927年の映画、5時間……フアンじゃなきゃ、敷居が高くて見ませんね。

それにしても、一人の人物について30冊の本を所有されているというのもすごいですね。(国内で、そんなに出版されていることも驚きましたが……)

評伝などは、その書物が記された時代の風潮や書き手の主義主張なんかに大きく左右されますから、多くのものを読み比べることはとても大切だと思います。一人の人間、それもあったこともない人物の人間像に迫るというのは非常に困難なことです。困難ですが、興味深い作業でもありますね。

投稿: 朱鷺 | 2010年5月 8日 (土) 19時48分

朱鷺さん

ナポレオンを単なるヒーローとして捉えていたのは、高校卒業までです。
以降はロシア遠征の失敗の時期以降にフォーカスし、あまりにも人間臭いその人物像を、一文の得にもならないのに探求し続けています。

世界中で刊行されたナポレオンの研究書の発行部数はイエス・キリストのそれに勝り、映画の主人公とされた歴史上の人物としてもナポレオンを越える者はいないそうです。

私が「~ぜよ」なんて言って、島国の夜明けだなんだと騒いでいた(と伝承される)人物に代表され、亡国の愚将達がモデルに崇め奉っている「国産品」に食指が動かないのは、その辺りにも理由があるのかもしれません。

投稿: 八重花桜瑠 | 2010年5月 8日 (土) 21時43分

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