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勇者還らず

今回のお題は「『大人として読むべきおススメの本は?』」との由。

私が社会に出てから、夢中で読んだのが落合信彦先生の著書。エッセイや啓蒙書も勿論拝読しましたが、先生の才能が発揮された(と勝手に賞賛している)のは、国際政治を舞台にした小説です。

私が頭を殴られるような衝撃を受けたのは「ザ・スクープ」という小説です。当時「平和ボケ日本」ということばが横行していました。私は「いや、ボクは平和ボケなんかじゃない」と自己弁護していましたが、当該小説の内容を見て、自分の甘さを痛感しました。
当時、集英社文庫で落合先生の著書は洪水のようにリリースされていたので、片っ端から読み漁りました。

その中でケレンミもあり、国際政治や諜報機関の恐ろしさも盛り込まれて、「世の中は綺麗事ではない」というメッセージを送ってくれたのが「勇者還らず」です。
日本に友好的と目されている二つの国家の諜報機関が、あるファクターを巡って死闘を繰り広げます。そして、その犠牲になったのは日本人女性。結末は…一応主人公サイドが「勝利」しますが、ほろ苦い後味を残してくれます。

落合先生の著作を以って、世間のたるみ具合を嘆いたり、小説の主人公の姿に自身を投影するのは、決して不健全なことではありません。

ただし、頻繁に発信される「エキサイティングな人生を送ってみないか」という言葉に字面どおりに妄執しすぎると、手痛いしっぺ返しが浴びせられます。
厳しい言い方ですが、この国はこの国。先生の発信がなされてから四半世紀近くが経っても この国は変わっていません。精神面での参考にとどめ、アクションにあたっては日本の風俗・習慣、そして(不本意でも)身の程を考慮すべきでしょう。

相対評価になりますが、「幕末モノ」は避けたほうがいいかも知れません。タイムリー且つ、国民が馴染みやすい話題・人物群ですがそれら/彼らを現在の「大人」がトレースするには無理があります。

「平成の誰某」
を標榜して一大政党からの離党表明をした方がいます。

以前言及しましたが、大手の経済誌はかつて「幕末志士に学ぶ○○術」といった記事を積極的に採り上げていました。その帰結が昨今の経済環境です。
幕末の志士と称される方たちは、それなりに偉業を成し遂げたのかもしれませんが、それを今の為政者にトレースさせるのは不可能です(引き合いに出された偉人の方が迷惑でしょう)。経済的に困窮しているのに、越後・米沢で活躍した軍師にフォーカスせず、安易に従来からヒーローとして祀りあげられている人物に寄りかかっている点にも為政者たちの甘さが垣間見えます。

彼らの愛読書というのも興味深いですね。ぜひ公表してもらいたいものです。

ブログ学園

ブログネタ: 【ブログ学園】『大人として読むべきオススメの本は?』参加数拍手

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コメント

頭の中で、自分と坂本龍馬がごっちゃになっている段階で、政治家としての資質を疑います。現状分析ができていないということを言っているのと同じですもの。「プレ●デン●」でも読んでいればいいのではないでしょうか。

投稿: 朱鷺 | 2010年3月16日 (火) 20時01分

朱鷺さん

あの人は「S本R馬の遠い親戚」を自称していたんでしたっけ?
龍Mもいい迷惑ですね。
朱鷺さんのご専門かもしれませんが、日本国民は血の濃淡こそあれ「K室」の遠縁にあたる(男系を重んじるが故に女性は民間に流出(失礼)した)という説もあるようですしね。

遠い親戚なんて箔にもなんにもなりません。

いずれにせよ、自分が「平成の誰某」などと言っている、変身願望の強い方にはデパートの屋上でヒーローショーでもやってもらいましょう(怪人役で)。

投稿: 八重花桜瑠 | 2010年3月16日 (火) 21時08分

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