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舞姫

八王子では初雪が観測されたそうです。
「この冬」というのは昨年の秋の終わりから今年の春の始まりまでの期間を指すんですね。

まあとにかく寒いです。

どんより曇った空。
ナポレオンがロシア遠征をしていたときは、空を飛んでいたカラスがあまりの寒さに凍りつき、地表に落ちたという言い伝えがあります。

高校三年生の冬。
一応進学校だった母校には、大学受験前/進路決定前の殺伐とした空気が漂っていました。
その反面、共通一次試験の一週間前まで柔道の実技をやっていたんですから、学校の危機意識というのがいまひとつ理解できませんでした。

学校が殺伐としていた理由は、天候や大学受験への緊張感だけではありませんでした。

現代国語の授業で、森鴎外の「舞姫」を輪読していました。森林太郎だから輪読、ではなかったと思いますが(^^ゞ

詳細はおぼえていませんが、ドイツに留学に行った主人公(森鴎外の化身)が現地の踊り子と恋におち、孕ませたのに出世に目が眩んで帰国してしまう。
その帰国を知ってヒロインのエリスが心の病を患ってしまう、といったストーリーだったと記憶しています。

時々教養バラエティーの番組でも採り上げられ、女性出演者から「森鴎外は許せない!」系の発言の餌食にされてしまう本作。

最終的に読み終えることはなく、冒頭部分の「石炭をば はや積みはてつ…」から毎回毎回読み返し、高校生活最後の授業あたりで「エリスは…狂ってしまったんですね」とさらりと言ってのけた教科担任。

共学の学校でしたが、当該教諭からの最後の問いかけは
「仕事をとるか、愛情(異性)をとるか」
といったものでした。思春期の只中にあり、異性交遊に好奇心が滾りまくっていた当時、「仕事をとる」と答えた生徒は居なかったと思います。
ましてや「舞姫」を読み終えた後で「仕事をとる」と答える生徒が居たら、非難の的にされてしまったでしょう。

現代国語で古文調の言葉遣いを読み解く、ということで選ばれた小説。
仕事か、異性かなどと贅沢な悩みに浸る余裕もありませんが いずれ読み返してみるのもいいかもしれませんね(コミック版で、ですけど)。

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コメント

仕事も恋も知らない(といったら怒られるのかな)高校生に、意見を求めても仕方ないですね。子供の時に読んで、読んだつもりでいる作品も、大人になってから読んだら見方は変わるのでしょう。
高校生の私にとって、生涯の恋のイメージは……やっぱりフィアナさんでした。おばさんになった今でも、フィアナさんのように一人を思い続ける姿にあこがれます。

投稿: 朱鷺 | 2010年1月12日 (火) 16時35分

朱鷺さん

まだまだあの頃の「恋」に対する認識はDr.スランプのワンシーンの如し、でした。

おてて繋いでらんらんらん♪
気持ちが盛り上がればチューして…

当時の私にとって生涯の恋は…分からないですね。古代進みたいに、周囲に祝福される恋のイメージでなし。

少々天邪鬼なところもあるので、スターシャにうまく愛情表現できないデスラーの方が近かったのかも。

実際にはバニラみたいに 弛緩している日常と キメるときにはそこそこキメる生命力を持った男の方がいいのかもしれませんね。

因みにDUAL MAGAZINEに掲載されていた「ボトムズ・キャラクター占い」の判定結果は「バニラ」でした。

投稿: 八重花桜瑠 | 2010年1月12日 (火) 16時47分

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